こんにちは、おさしみちゃんです。
イラストレーターや漫画家、デザイナー、配信者にVTuber…世の中にはたくさんのクリエイターがいますね。
そしてそれらを目指す学生さんも少なくないと思います。中には「フリーでやっていきたい!」という夢を持つ方も…でもね…
フリーランスを目指すなら、一度は社会に出な!
「すでにフォロワーいっぱいいるしいけるでしょ」「大学でプロジェクトとか学園祭の企画やって経験積んだし」「稼げるツテがあるから」などと思うかもしれません。
けれど、わたしが心配しているのは『稼げるかどうか』ではなく『干されないかどうか』です。
社会を知らないクリエイターがどうなってしまうのか、社会経験の何がクリエイター業の役に立つのか、会社員もフリーランスイラストレーターも経験したことのあるおさしみちゃんが解説します!
もくじ
おさしみちゃんの経歴
京都の某私立芸術大学を卒業。ちなみに専攻はマンガ。
とある企業に新卒入社、クリエイティブ職に就くもとんだブラック企業だったため、新卒2年目でクリエイティブ職に限らず営業やマーケティング、WEBサイト・SNSの運用管理、広告担当なども兼任。その後、病んで退職。
社会に絶望し己しか信じられなくなったため、転職せずフリーランスイラストレーターとして活動を開始。現在は紆余曲折ありなぜかライターも兼業。
つまりは、かなり悟りを開いています。
クリエイターと社会不適合者
クリエイターと言えば「時間が守れない」「ルールが守れない」「コミュニケーションが取れない」「集団行動ができない」「こだわりが強すぎる」「継続するのが苦手」など社会不適合者が圧倒的に多いイメージがあります。自分の世界に没入し自分の作品を生み出すのがクリエイターですから、適合性を欠いてしまうのは仕方がないのかもしれません。
ただこの以下の6つ、
- 時間が守れない
- ルールが守れない
- コミュニケーションが取れない
- 集団行動ができない
- こだわりが強すぎる
- 継続するのが苦手
フリーランスになるためにはすべて邪魔です。
締切を守れますか?クライアントが出してきた条件を守れますか?相手にわかりやすく説明ができますか?相手に角が立たない言い方で提案できますか?空気は読めますか?クライアントからの修正指示に素直に対応できますか?ひとりですべてを続けられますか?
実際、世の中にはこれらができず干されるクリエイターが山ほどいます。残念ながら代わりはいくらでもいるので、社会の基本がなっていない人にわざわざリソースを割いてまで依頼する必要はないのです。
では社会不適合者から脱却するためには?
いったん会社に就職するんだよ!
会社という組織
会社にも色々ありますし、会社の内部事情に関しては正直入社してみないとわかりません。わたしは古巣のブラック企業に対して中指立てて唾を吐ける程度には恨みの感情を持っていますが、それでもそこで経験したことはひとつも無駄ではないと思っています。新卒2年目に退職者5人分の引き継ぎをする組織だったとしても、学べることはあるのです。(もちろんみなさんにはできるだけホワイトな会社に就職してほしいと思っています、切実に。)
何も10年勤めろと言っているのではありません。現にわたしは2年で退職していますが、それだけでも学生の頃に比べ見える世界は大きく違っています。
大学生が高校生をこどもだと思うのと同じく、社会人にとって大学生はまだまだ余裕でこどもである。
会社に就職するメリットとデメリット
会社に就職しろしろ言ってますが、メリットがあればもちろんデメリットもあります。
●生活が規則正しくなる(ちゃんと夜に寝て朝に起きる)
●否が応でも時間を守らなければならなくなる(決まった時間に勤務開始)
●会社の就業規則や所属チームのルールに則った行動ができるようになる(違反すると最悪解雇の場合もある)
●仕事を通して人とのコミュニケーションの取り方を学べる(これは友達とのお喋りとは違って、社会でのマナーとしてのコミュニケーションである)
●自分の強すぎるこだわりが時には周囲の迷惑になるということを学べる(こだわりを持つことは大切だけど、いきすぎるとタダのワガママ)
●日課となる業務をこなすことで継続力が身につく(だんだんと習慣になっていく)
●理不尽への耐性が付く(悲しいけど耐性があるかないかで後が全然変わってくる)
●安定した収入を得られる(制作にもお金がかかる)
●プライベートの時間が減る(7時間寝るとして、活動時間17時間のうち約8時間は仕事、移動時間も数えると…)
●ストレス源が増える(会社の環境にもよるけど、会社での出来事がストレスになることは多い)
●まとまった休みが取りづらくなる(これも会社の環境によるけど、有給を連続で使いまくるのは気が引けるし仕事が止まるのも困る)
朝起きなきゃいけないのも決まった時間に勤務しなきゃいけないのも人と話さなきゃいけないのもデメリットじゃん!と思うかもしれませんが(わかるよ、わたしも朝起きたくない)、フリーランスを始めたとしてクライアントが企業だった場合、打ち合わせなどが発生することも有り得ますよね。昼夜逆転の末打ち合わせに遅刻したり、深夜にメールやチャットの返信をしたり、クライアント相手にビジネス用語が使えないとなると、人としての信用を失いかねません。会社に就職することで、それらの練習ができると思いましょう。
プライベートの時間が減るというのはクリエイターにとって由々しき問題です。
その対策としてわたしの芸大の先生は「自分の制作の時間が取りたければクリエイティブ職には就かないほうがいい。クリエイティブ職は残業が多い場合が多い。残業時間の少ない会社に入って、さっさと帰って制作すれば時間は取れる。」と仰っていました。※すべてのクリエイティブ系会社の残業が多いというわけではありません。
それを無視してクリエイティブ職に就き、残業祭となったのがおさしみちゃんだ!あの頃の生きがいはあんスタに課金することだけだった!※すべてのクリエイティブ職が残業祭というわけではありません(2回目)。入社前の見極め大事ね!
フリーランス=会社経営者
フリーランスになるということは、すなわち会社を経営するということです。
社長は自分、社員も自分。
商品を作るのも自分、営業もマーケティングもクリエイティブも経理も全部自分。プラスで会社員なら会社がやってくれる社会保険等の支払い管理や確定申告なども自分でやらなければなりませんし、スケジュールの管理やクライアントとのやり取り、書類作成もすべて自分にかかっています。
そう、すべて、俺!!!
これ、未経験で急に全部できますか?営業ってどうやってかけるものなの?マーケティングってよく聞く言葉だけどそもそも何?請求書?納品書?税込み税抜きってどうなってるの?経費って?クライアントに返信したいのにメールのルールがわかんない!
↑これすべて、会社で学べます。
百聞は一見にしかず。会社のことを理解するには、会社で経験するのが一番です。
※わたしのように2年でほとんど全部やるというようなことにはなかなかなりませんが、会社に身を置いて仕事をすると、他チームがどういった仕事をしているのかなどもだんだん見えてきます。それだけでも十分勉強になります。重要なのは会社内の流れを掴むことです。
おさしみちゃんはフリーランスになってはじめて社長秘書の重要性を理解したよ。おさしみちゃんも秘書ほしい。
アルバイトじゃダメなの?
「でも学生時代、アルバイトしてたし…」そのような方も多いでしょう。アルバイト経験があるのはもちろん立派なことです。ただ、アルバイトと会社員には大きな違いがあります。
それは、責任があるかないか。
アルバイト中に何かミスをしてしまったとき、注意されることはあれどその責任を負わされることは相当なことがない限りありませんよね。責任がある状態で働くのと責任がない状態で働くのとでは、意識に大きな差が生まれます。フリーランスの場合、仕事の責任はすべて自分で負うことになるので、責任がある環境で仕事に取り組むことは大切です。
SNSアイコン依頼ひとつとっても、自分のイラストやデザインでその人の顔が決まると思うと責任重大なのだ。
会社に勤めることは決してダサくない
フリーランス1本で食べてるクリエイターさん、かっこいいですよね。わかります。だからといって、会社に勤めることは決してダサいことではありません。むしろクライアント視点で見ると、会社で働いたことがあるクリエイターには安心して依頼することができます。偏見的で嫌な社会だと思うかもしれません。でも依頼をくれるクライアントは大体がその社会で生きている人なので、依頼をもらうにはクライアントからの印象を気にする必要があるのです。
フリーのイラストレーターに外注依頼かけたことあるけど、社会のマナーがなってない人だとどんだけ上手くても二回目はないなって思うのが現実。
長い人生計画の中のたった数年
2回目ですが、経験したことやそれにかかった時間が無駄になることは決してありません。特にクリエイターならばそう。負の感情でさえクリエイティブに昇華できるのがクリエイターの良いところです。長い長い人生計画のたった数年なので、フリーランスを目指すのなら一度は会社に就職して経験を積むことも考えてみてくださいね。
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現在専門学校に通ってて、将来はフリーランスでイラストの仕事をしていきたいと考えていて周りはみんなクリエイティブ職の企業に就きたいといってる人達が多いんですが、他の仕事しながら制作活動をやりたいなという気持ちもあって悩んでいたのでとても参考になりました!
朱蔵馬 サクナさん
お読みいただきありがとうございます!フリーランスにも色々形はあるので、今のうちにたくさん悩みながら自分にとっての最適な道を探してみてくださいね。学業・就活ともに応援しています!