もくじ
『内閣府の啓発ポスターパクリ問題』とは
こんにちは、おさしみちゃんです。
内閣府が発表した性暴力被害予防に関する啓発ポスターが、イラストレーター・たなかみさきさんのイラストに似ているとの指摘が相次ぎ話題となりました。
またその指摘を受け、内閣府はポスターの使用を取り止め、業者の制作過程に不適切な点があったと認めました。
問題となったポスターと、イラストレーター・たなかみさきさんの作品はコチラ
この程度でパクリ認定?
今回ポスターに使用されたイラストが「たなかみさきさんご本人が描いたイラストに見えるか」と問われると、筆者的にはノーだと思います。
この発表を目にした時のはじめの感想は「えっ、これで告発されちゃうの…?」でした。
もちろん似ているとは思うのですが、絵描きのひとりとして、このレベルで指摘を受けてしまうとなるとなかなか厳しいものがあるように感じられます。実際、その点において指摘をされている方も少なくありません。
街中を歩いていても、「〇〇先生風のデザインだな」と感じられる広告や掲示物はたくさんありますよね。
「今から独自性のあふれる唯一無二の創作物を生み出すのは難しい」っておさしみちゃんの大学のセンセイも言ってた
問題は「似ているか似ていないか」ではない
ただ今回の件で大きく問題となっているのは、実際に参考資料としてたなかみさきさんの名前及び作品が提示されたことでしょう。たまたま雰囲気が似てしまったのとはワケが違います。
また前述した、
「たなかみさきさんご本人が描いたイラストに見えるか」と問われると、筆者的にはノーだと思います。
に関しても、感じ方はひとそれぞれで、特に創作をしているひとと創作をしていないひととでは判断に大きな差が出るものです。
実際、周囲のひとにこの話題を振ると「そっくりだ」「同じに見える」と言うひとも少なくなく、少なくないため問題が明るみになり告発に至ったというのもまた事実です。
何より「たなかみさきさん風」とオーダーを出すのであれば、たなかみさきさんご本人にご依頼するのが1番ですよね。
『絵描き視点』での今回の問題点
絵描き視点であげられる今回の件の問題点は大きくふたつ、
①『似ている』程度で告発されちゃったらたまったもんじゃない
②『~先生風』でオーダー出すくらいならご本人にご依頼しろ
といったところでしょう。
絵描きとしてはどちらも本当に由々しき問題であり、『わかる!』の一言です。
『似ている』程度で告発されちゃったらたまったもんじゃない問題
世の中はもうそれはそれはたくさんの創作物で溢れかえっています。
人類は原始時代から絵を描いていたのですから、過去まで遡るとその作品数は数え切れません。
そんな数多の創作物に何ひとつ似ていない新たな作風を生み出すなんて無理!
それができたらプロのイラストレーターになってるのよ!
そもそも人間は周囲の影響を受けるいきものですし、好きなものがあればなおさらです。
ただ新たな作風を生み出すのは難しくても、好きなものからインスピレーションを受けて、
それをパクるのではなく自分の形にして落とし込んでいく努力はできるのではないでしょうか。
そのためには好きなものをたくさん、できるだけたくさん作ってください。
好きなものAからの影響だけではAのパクリかもしれませんが、そこにBとCが加わればそれはひとつの作風、ひとつの個性になり得ると筆者は思っています。
とにかくインプットを増やしましょう!
『~先生風』でオーダー出すくらいならご本人にご依頼しろ問題
ほんまそう。
ただそう上手くいかないのが社会。
筆者は魔法少女ですが社会の歯車でもあるので、予算の問題とか…スケジュールの問題とか…そういうどうにもならない問題がたくさんあるのも知っています。
実際、何かを制作するにあたって「〜先生風」であったり参考資料として著名人の作品が提示されることは少なくありません。というかそういった参考資料がないと方向性が定まらず、企画がとっ散らかって無駄に時間を要するのがオチです。
どうしてもご本人にご依頼ができない場合、まず一個人の作品や作風を制作物の指標とするのはやめるべきであると筆者は思います。
ご本人に失礼であるというのはもちろん、今回のような問題に発展するというリスクも大きすぎますよね。昨今はトレパク問題にも敏感なのでなおさらです。
似た作風の作品やイラストレーターの参考資料を複数用意することで一個人のみの作品をパクるという事態は防げますので、絵描きのみなさんもそうでないみなさんも、オーダーをされる・する場合には意識してみてくださいね。
それはそうと凸版印刷お抱えのイラストレーターさん、寄せるの上手いな…!
う~ん、確かに似てるな…